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一方、雅を連れて外に出た駿は隻眼の目を手のひらに向ける。
キョトンとしている雅の頭を優しく撫で回し乱れた髪を直してやる。
「さっきは変な態度とって悪かった。」
「ううん…あのね…松駿が嫌なら無理しなくて良いんだよ?」
駿の謝罪に俯きながら答える雅。その小さな顎に人差し指の先を掛け持ち上げた。
大きな亜麻色の双眸と漆黒の隻眼の視線がしっかりと絡み合う。
駿はその体勢のままキリッとした真剣な表情で言った。
「嫌じゃねぇよ。お前も聞いたろ?俺たちはお前のために居るんだ。だから思ったように行動すりゃいい。何かあったら全力で守ってやるよ。」
「松駿…」
「お前は無邪気に俺らを振り回しとけ。」
戸惑ったように呼びかけるだけの雅の柔らかい頬を指先で撫で優しく言う。
微かに頬を赤らめながらコクンと頷いた雅は嬉しそうに笑った。
その笑顔に一安心した駿は指先を持って遊んでいる姿を見て頬を緩める。
視線に気付いた雅が顔を上げ首を傾げれば再び優しく頭を撫でられる。
景秦と話していて気になったことを聞いてみることにした。
「ねぇ、ねぇ、松駿。“紫の天“ってなぁに?」
「神に聞いたのか。“紫の天“って言うのは俺の一族の総称だ。特徴は深い紫の瞳と圧倒的な魔力。俺らの戦闘方法は主に本に収めた式を使う。今居るのは俺一人だがな…」
「紫の目って…松駿の、黒いよ?」
「片方だけ…要するにオッドアイなんだよ。俺は。」
淡々と話す駿の顔を見上げて問い掛けた雅の顔にからかう色など一つもない。
戦闘以外では外さないと決めていた眼帯を外し色の違う双眸で雅を見据える。
はじめは初めて見たオッドアイにポカンとしていたがジッと見つめる。
しばらくしてふにゃりと柔らかく笑い小さな手で頬に触れた。
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