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一方ため息を聞き咎めた鷹翅はピーピーと鳴き喚くだけである。
再びため息を吐き出し座れ座れと煩い鷹翅の前に腰を降ろした。
『貴様には常識というものがないのか!』
「あのな、常識があるから言ってんだ。世間一般じゃ姫は女、しかも王族に使うもんだ。」
駿の言葉に胡乱な目を向けながら鷹翅が翼の手入れをする。
『ふん、そんなものなのか。だがしかし、我が主が姫と呼ばれる由縁は性別に非ず!』
「じゃあなんだってんだ、この阿呆鳥が!」
「それには僕がお答えしましょうか?」
再び鼻を鳴らさん勢いで偉そうな口を叩く姿に駿のこめかみが引く付く。
思わず傍若無人な鷹に怒鳴れば後ろから声が聞こえてきた。
パッと勢い良く振り返れば優しい笑みを浮かべた執事姿の青年。
そんな知り合いなど居ない駿はチラリと鷹翅を見たが警戒している様子に知り合いではないと判断する。
明らかに警戒している一人と一匹に青年は一枚の紙を見せた。
駿と雅も持っている地図。驚く駿と鷹翅の方を向くよう正座で座り笑顔を浮かべる。
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