203人が本棚に入れています
本棚に追加
相変わらず家を壊そうと暴れている百足を腕を組んで眺める駿。
懐から相棒を出しページをめくっていれば陽翔が意外そうな表情を浮かべる。
「駿さん、貴方の武器はそちらで?」
「あぁ。」
「もしや貴方…“紫の天(パープルレイン)“の生き残りでは…?」
「そうだ。だが一族の皆が両目に魔力を蓄えていたにもかかわらず俺は…」
陽翔の問い掛けに頷いた駿は動物系(アニマルタイプ)のページから人間系(ヒューマンタイプ)のページに移動した。
その姿を眺めながら陽翔は興奮でかは知らぬが震える声で問い掛けた。
それに隠すでもなく頷いた駿はあるページで手を止めた。
絵に触れながら素早く真言を唱え、右目の眼帯を外している。深紫と漆黒のオッドアイが百足を睨み付ける。
「修羅(シュラ)。あの百足、ヤレ。」
『喰って良い…?』
「喰えるならな。行ってこい。」
『御意…』
現れた大人しい深紅の髪の少年の登場に陽翔は感動して武器をしまっていた。
修羅と呼ばれた少年はあどけない顔を傾げながら駿に問い掛ける。
頷いた駿は念を込めて釘を刺す。コクンと頷き百足を眺める修羅。
しばらくして起きる残虐とも言える攻撃。反撃の隙を与えずたたみかけるように次々と仕掛けていく。
最初のコメントを投稿しよう!