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ただの成れの果てとなった化け物を眺めて修羅が指先を唇に押し当て考えている。
どうやら食べようと塊にしてみたは良いがあまり美味しそうではないらしい。
クルッと主の方を向き首を振った修羅は手のひらから炎を吹き出し塊を消し炭にしてしまう。
戻ってきた修羅の頭を撫でた駿は光の球になって本に戻った修羅のページをもう一度撫でパタンと本を閉じる。
『貴様、“紫の天“とはどういうことだ!あの気高き一族は全滅だと…!』
「ああ、全滅したよ。俺以外はな…本も全て燃やされた。」
ピーピーと鳴く鷹翅の鋭く高い声が響く。淡々と言う様子に違和感を覚える。
まるで憎しみなどを感じない。冷酷なまでに冷めた口調。
鷹翅と陽翔は駿の闇に少しだけ触れた気がした。
顔を見合わせるもかける言葉が見つからず肩を竦ませる陽翔。
どうやら伝説とも言える一族たった一人が抱える闇は相当深いようだ。
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