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まるで銅像のように固まっている二人にコテンと首を傾げて見上げる。
鷹翅はその周りを飛び回りながら三人の様子を眺めている。
そんな鷹翅をジッと見つめるクリクリの黒い瞳に雅が気付く。
「えっと…鷹翅が気になるの?兎ちゃん。」
コクンと頷く白兎にふふっと笑い雅は指笛を吹く。
高く響く綺麗な音にハッと意識を戻した二人は鷹翅を腕に乗せようとしている雅を見る。
バサバサと羽音を立てながら雅の腕におりたつ鷹翅。
コソコソと会話し笑いながら足元に降ろす。
そのまま雅は二人にパタパタと駆け寄り駿の腕に抱き付いてニコニコと微笑む。
『姫ぇ!何故、そのような男の腕に縋るのでございますかぁ!』
「いーでしょっ!鷹翅は兎ちゃんと話しててよねぇ!」
『そんな…!!姫ぇ…』
再びピーピーと鳴き喚く鷹翅を一喝しプイッと顔を背ける雅。
そんな頭を撫でてやれば甘えるように擦り寄ってくる。
その様子にショックを受けた様を見せる鷹翅の背をポフポフと叩く白兎。
その二匹の様子を見ていた雅は頷き駿を見上げ陽翔も見つめる。
「松駿、陽ちゃん。お家入ろー?」
「ああ、そうだな。」
「夏川さん、貴方は家の中に何があるのか知ってるんですか?」
ニコッと笑った雅が促せば駿は頷くが陽翔は訝しげに雅に問い掛ける。
プルプルと首を振った雅は家を振り返り大きな瞳でジッと見つめる。
首を傾げていたが再び二人へと視線を移す。
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