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柔らかい笑顔に偽りも何もなく駿と陽翔も笑顔で頷く。
パァッと顔を輝かせ嬉しそうに中に入っていく姿を見た鷹翅は心が重くなる。
主が入った森にいた白兎から聞いたことは間違いではないはずだ。
そうでもなければこの近隣の街はあんなに寂れては居ない。
火、水、風、魔、光…この5つの属性を扱えるの五人の青年が世界を救う…
確かに鷹翅の主は風を扱う。陽翔は火、駿は闇のようだ。
『誠ならばこの話、五人全員の方が良いのであろうな…』
俯きながら足元を見ていた鷹翅にコクンと頷く白兎。
ふと耳を立て周囲を伺う。どこからか嫌な気配が近付いているようだ。
その様子に鷹翅も周囲に気を配る。あの百足や蜘蛛に似た気配だ。
白兎を傷付けないよう捕まえ家まで飛ぶ。屋根上に降ろせば隣に降り立つ。
『なんだ…けっこうな数がいるぞ…』
「どうやら敵のお出ましのようですね。」
『紅月。貴様、分かるのか?』
「いいえ。焔がソワソワしてましたので此処なら見えるかとあがって来たんですよ。」
見えぬ敵の数を探っていれば背後から低く落ち着いた声が聞こえてくる。
眼鏡を上げた陽翔を見上げながら鷹翅が問えば緩く首を振りいつの間にか現れていた子犬を抱いていた。
ふと遠くから何か黒いモノの大群がやってくるのが見える。
眉をひそめた陽翔は懐から閻鞭の柄を取り出した。だんだん近付いてくるソレ。
ヒラリと屋根から飛び降りた陽翔は中型犬よりは二回りほど大きくなった焔に跨がりその大群の方へと飛んだ。
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