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驚く二人に地図を見せれば納得してくれたことに青年は安心する。
「はじめまして。青山智輝っていーます。よろしくね?」
「紅月陽翔です。彼は松木駿くん。よろしくお願いします。青山さん。」
「智(トモ)でいーよ?陽くんと…松駿って呼んでいーい?」
「えぇ。大丈夫ですよ。」
「ああ。」
青年ー智輝が名乗れば二人も名乗らない訳にはいかない。陽翔は二人分の紹介をした。
嬉しそうに笑った智輝は再びふにゃんと笑えば空いている一人掛けのソファーに座る。
陽翔の後ろで眠る雪菜と駿の後ろで眠る雅を交互に見て首を傾げる。
その視線に気付いた二人は顔を見合わせる。
紹介しようか悩んでいれば智輝は立ち上がって二人の額に触れた。
「力、使い果たしちゃったんだね~。これ持たせてみて?」
「智くん、分かるの?」
「なんとなくね~」
智輝の言葉に驚いた陽翔が問い掛ければ柔らかい笑顔のまま言った。
その言葉を聞きながら駿が雅の手に渡された緑の石を持たせていれば鷹翅の視線が痛い。
内心、過保護な鳥に苛々しながら柔らかそうな頬に触れた。
「なんで、ここに集められたんだろーね。その子たちもでしょー?」
「おい、鳥。お前なんか知ってるか。」
『鳥と呼ぶな。我が名は鷹翅だと言うておろうが。』
智輝の問いに駿が鷹翅に声を掛ければ白兎、焔と共に現れる。
驚く智輝そっちのけで喧嘩するように言い合う一人と一匹。
陽翔はため息を吐き出しながら俯いた。
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