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物静かな森の中、川縁で釣りをする青年。
彼の名前は青山智輝(アオヤマ トモキ)。茶金色の髪と澄んだ青空のような蒼い瞳、眠そうな雰囲気と柔らかい笑顔が特徴的な青年だ。
智輝はただボンヤリと水面を眺めながら魚がかかるのを待っている。
ピクッと浮きが揺れ竿がしなる。それを手慣れた手つきでリールを巻き上げていく。
ほどなくして釣れる体長が約四十センチほどの魚。
満足そうに口元を緩めて立ち上がる。何匹か魚の入ったバケツを持って家路についた。
森を抜け、しばらく歩けば大きな道に出る。その道で魚を売り早足で進み脇道へと入る。
またしばらく歩けば見えてくる我が家。今は智輝しか住んで居ない。
中に入り道具を片付けた智輝は玄関脇に置いてあった荷物を担ぐ。
その横には紺の鞘に納められたら日本刀。今は亡き祖父母からの形見。
智輝は今日、旅に出ることにした。理由はつい数週間前に智輝宛てに届いた手紙と地図。
幸いにも智輝の街の近くだったためギリギリまで家にいた。
「なにすんだろ…」
ポツリと呟いたが当たり前に返事はなくため息を吐き出した。
どうにでもなるかと思いながら家を出る。
そして目的地へと向かってゆっくりのんびりと歩き出した。
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