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後ろに倒れそうになった雅を慌てて支える智輝と雪菜。
駿と陽翔も立ち上がり騒ぎを聞いて鷹翅もやってくる。
智輝たちに支えられゆっくりと起き上がった雅が目を開いた。
先ほどまで黒目がちだった大きな瞳がまるで宝石のような綺麗な緑色の瞳をしている。
少し体を動かし立ち上がった雅。そのままソファーに座った。
『初めまして、姫巫女を守る守護者の諸君。我が名は景秦(ケイシン)。すぐそこの森を守る神だ。今は実体で出れないからね、姫巫女の体を借ざるおえなくなったが…受け入れてくれた姫に感謝するよ。』
「神様とやらが僕らに何の用ですか?」
『君たちの祖先についてだ。この体の持ち主、夏川雅の祖先は王国から追い出された聖風の姫巫女。君たちは姫巫女の守護者であった人物だ。』
「つまり、王国の国史に書かれている火、水、闇、光を操っていた青年。それが俺ら。」
『そうだ。王家お抱えの科学者が自然の理(コトワリ)を無視し、死者を蘇らせようとして失敗。ギリギリで理は崩れなんだがどこぞかに異空間と繋がるところがあり、そこから魔族が雪崩込んでくるようになった。』
「ソレがあのミミズや百足だと?」
雅の明るく高い声じゃない、低い声に顔を見合わせ陽翔が問い掛ける。
笑顔を浮かべた景秦は陽翔から順番に視線を送りながら話す。
景秦の言わんとすることが分かった駿が続きを言えばコクンと頷いた。
それから語られる国史には書かれていない歴史。国の科学者が禁忌を侵そうとしたという事実。
百足や蜘蛛、ミミズなどの異様な化物語のことは説明が付いた。
しかしでは今、何故王都が無事でこの近辺の村や街は寂れているのか…
その説明が付かないことには納得出来ない。
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