第2章

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頬に触れる小さな感触と微かな温もりに駿はホッとした。 触れるたび小さな体に傷を付けてしまわないかと心配になってしまう。 手のひらに乗る雅の頬を撫で柔らかい感触に自然と頬が緩んでしまうのを抑えられなかった。 「松駿。俺たちの祖先と今の俺たち、違うとこがいっぱいあると思うの。だって昔は昔だし今は今でしょ?だからね、思うことは何でも言って?」 「夏…」 「皆にも言うけど、姫巫女の血筋っていうだけで俺に何の権力もないの。そんな俺で良いなら、松駿に側に居て欲しいなー」 「わぁったよ、我が儘なヤツだな…」 「ふふっ!だって松駿のこと振り回していーんでしょ?」 心の奥で微かに求めていただろう、“紫の天としての自分“ではなく“ただの松木駿“として見てくれる相手。 きっと彼も今、自分に求めるのは同じこと。“姫巫女の子孫の夏川雅“ではなく“ただの夏川雅“だということ。 そういった意味を込めて駿が多少乱暴な口調と手付きで雅を扱っても嬉しそうに笑う。 その笑顔に自分の考えが間違ってないことを願いながら微笑む。 「あ、言い忘れてた!あのね、あのね、松駿の目のオットセイアイス…だっけ?」 「オッドアイだ、ばか。」 「ソレ!あのね、俺は紫だけよりそっちの方が好きだよ?なんか松駿らしいもん!紫も松駿っぽいけど松駿は綺麗な黒が似合うの!」 「サンキュ、夏…」 思い出したかのように大声を上げた雅は笑顔で駿に告げた。普通より少し小さめの音量ながらもしっかり聞き取れた言葉。 トンチンカンな発言を訂正すると思っても見なかった、しかし嬉しいことを言ってくれる。 天の邪鬼な部分が顔を出し素直に喜べないが嬉しかった。
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