ベンチ

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 途中で、雨粒が大きくなって来た。それに比例するように、シトシトと降っていた雨がサーサーという雨音に変わる。  仕方がない。もう一度思い、何処か雨宿りが出来る場所を探す。  公園が目に入り、そこへ入った。滑り台の下でも入り込もう。生憎、大人が雨宿り出来そうな大きさの滑り台では無かったが、代わりに屋根が上にある四阿風のベンチが視界に入る。  これで十分じゃないか。雨を凌げる。  パシャパシャと音を立てながら、そのベンチにまっしぐら。濡れている、と解っていても気分の問題で、濡れたハンカチでスーツの上下を拭いていく。  視線を空に向けながら、毎日チェックしていた天気予報をチェック出来なかった3日間を思い返す。  ついでに、折り畳み傘を鞄から出さざるを得なかった今日を。
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