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部屋の灯りが窓から見えた。ああそっか。今日は金曜日だったのか……。
彼女、来ているんだ。会社から直行してくれたんだろうな。
契約社員として働く彼女の姿を思い出しながら、でもこうして、週末に会ってオレだけに見せる表情も好きだなって思うんだよな。
今夜も泊まって行ってくれるんだろう。この前のデートで、彼女の服とか日常品とか、幾らか買いに行ったわけだし。
ああそうだ。付き合ってそろそろ半年。彼女がそう言っていたっけ。誕生日も近いから、プレゼントを考えなくちゃ。何が良いんだ?
逸る気持ちで、部屋の玄関を開けると、靴を脱ぐのももどかしくて、脱ぎ捨てる。
「ただいまっ」
5歩しかない廊下の右には、洗面所と風呂場。左がトイレとなり、突き当たりのドアを開けると、直ぐにキッチンが視界に入る。
オレの大好物のカレーの匂いと共に、彼女の笑顔が出迎えてくれた。
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