その者、白面金毛九尾狐也!

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あれから………何年経った? 私がこの命を人界から消し去ってから…どれほどの月日が経った? 「………また……あの夢か……」 殺生石となり、この命を失っても尚消えない意識。 私は……そうだ、殺生石になって封印されたのだった…… 石の中に残る、私の意識は…… 度々あの時のことを夢として映し出す。 人間達に討ち取られたあの頃は、人間に深い怨みがあったが…… 長年眠っていたせいか、もうどうでもよくなっていた。 「………寝るか……」 私は再び深い闇の底に意識を封じた。 今となっては……この殺生石が心地よかった。 何も……しなくて済むから……
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