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※めっちゃ前に遊びで書いたバレンタインです(*´ω`)
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「佐川さんって、あんまり甘いものが好きじゃないから、チーズケーキにしてみたんです」
今日はバレンタインデー。
柏原さんと仕事終わりに待ち合わせしていたのは、いつもの連絡ブリッジだった。
はにかんだ顔で彼女に差し出されたのは、四角い包み。
植木の淵に座ってそれを開けると、スティック状のベイクドチーズケーキが並んでいた。
(―――やばい)
なんだこれ。
嬉しすぎてにやける。
バレンタインて、こんないいものだったのか。
「アリガト……
って、これ手作り?」
「はい、味はたぶん大丈夫だと思うんですけど……」
彼女は少し自信なさげな顔で俺を見つめた。
やばい。
その顔も可愛すぎる。
どんな顔をしているか、鏡で見せてやりたいんだけど。
って、そんなことを思っている俺が本気で気持ち悪い顔をしていそうで、緩みそうになる頬を引き締めた。
「作ってくれたお礼に、カフェオレご馳走するから、今からこれ、一緒に食べない?」
俺の提案に、彼女は一瞬動きを止めたあと、「はい!」と嬉しそうに笑った。
その表情とその声が、心をじんわりと温かくさせる。
駅のコインロッカーに押し込んだチョコは、明日の夜実家に持っていこう。
そう決めて、俺は彼女と連絡ブリッジをゆっくり歩きだした。
佐川×柏原さん
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