2613人が本棚に入れています
本棚に追加
「――え?もう帰っちゃうんですか?!
まだビールも残ってますし、
もう少しだけでも…ダメですか?」
必死の顔で隣の女が
鞄とコートを掴んで席を立とうとしていた俺のスーツの裾を掴んだ。
――はぁ……
気付かれない程度に息を吐き出して、やんわり掴んだ女の手を解く。
「また今度ね」
俺は分かれる時の常套句を告げ、西園寺に金を渡して
ついでに女にもニッコリ微笑むと
靴を履いて飲み会の個室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!