夢をみさせて

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俺は朝の連絡ブリッジで丸い大きな花壇に腰掛け, 今日もまた真下にあるバスターミナルから続く階段を見ている。 目の前を学生や会社員が忙しく通り過ぎる中、 おなじみになった自販機で買った缶コーヒーを片手に ぼんやりと通り過ぎる人の流れを眺めていた。 (そろそろか…) 時間を確認してまた階段に目を向ける。 ――来た 今日も階段を埋め尽くす程の人の中に彼女を見つける。 もはや彼女を見つけるのは俺の特技と言ってもいいような気がした 足早に改札を目指す彼女は、花壇に腰掛ける俺の姿を見つけると、 その場で足を止め、こちらに近づいてきた。
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