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「おはよ」
「…おはようございます
今日はどうしたんですか?」
そう言って不思議そうに笑う彼女を通り過ぎ、
自販機に近づきボタンを押す。
ガコン
お馴染みになった缶を取り出し、彼女に手渡す。
自販機に 【 あたたかい 】 飲み物が消えていく季節なのに、
彼女は冷たいカフェオレは飲まない。
冬でも夏でもホットカフェオレなんだそうだ。
「座って この電車の次でも間に合うから」
そう言って植え込みに腰を下ろすと彼女も俺の隣に腰掛け、
こちらを見て「いただきます」とプルタブを開けた。
「待ってるなんて珍しいですね、どうかしましたか?」
そう訊ねる彼女に内心、
いつも待ってるんだけど とぼやく。
そう複雑な気持ちで思ったが、
本題に入らなければと俺は口を開いた。
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