夢をみさせて

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そんな彼女に一つ提案をする。  昨晩から考えていた事だ。 「助けて貰ったお礼に 何かしたいんだけど」 「…え」 大きな黒目をぱちくりさせてこちらを見上げた彼女は、 「助けてもらったって言うなら…    前に佐川さんにここで助けて貰ったので、  それでおあいこですよ。」 笑顔でそう言って やんわりかわされそうになるが、俺も引かない。 「あれはたまたま通りかかっただけだったし  柏原さんに助けてもらった方が大きかったよ」 「でも」 「俺の気が済むと思って」 俺にそう言われ、 彼女はごくりとホットカフェオレを飲み干して暫く考え始めた。 俺も缶に残った最後の一口を飲み干して、彼女の言葉を待つ。 ちらっと俺の顔を窺うように見た彼女は、 思い切ったように口を開いた。 「………ほんとに何かしていただけるなら……  今度佐川さんがお休みの日、   私に一日つきあってくれませんか?」
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