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会社へと続く最後の曲がり角を曲がった所で
西園寺の姿が見えた。
声を掛けようと一歩踏み出した瞬間、
視界に飛び込んできた光景に俺の足がすくんで急に動かない。
バクバクと、俺の心臓が忙しく波打ち出す。
西園寺が数メートル前を歩いていた彼女に走り寄って行った。
アイツは彼女の隣に並ぶと
一言二言何かを言って笑っている。
そんな彼女も突然現れた西園寺に驚いた様子だった。
でも
(――いつもと違う )
いつもなら
いつもならアイツを見ると
桜色の頬を朱色に染めて俯くのに
それなのに今日の彼女は
花のような笑顔でアイツに笑いかけていた。
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