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(さて、これだけやれば十分だろう。)
一体どれだけの間火を吹いていたのだろうか、気付いた時には既に半分以上の家々は灰と化していた。辛うじて残っている家も、無傷な訳は無かった。
「よし、なら俺は一足早く…
翼を広げ、飛び立とうとしていたシアの耳に遠くからの爆発音が聞こえてきた。
その音のした方向に素早く頭を向けると、再び数発の爆発音と光の明滅が見えた。
その爆発音は、今シアが居る場所とは正反対、街の西側から起きていた。
それの意味することは……
(ちっ、ヤンめ!あれほど警告したのに見つかりやがった。)
シアは小さくボヤくと、事前に定めていた三発分の火球を空に放った。……これの意味することは『撤退』。作戦の失敗を意味していた。
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