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「それにシア、貴方は炎なんだから毒のヤンに真っ向から挑んでも勝てないのは分かっているでしょう?」
「そ、それはそうなんだが…」
何かまだ言いたそうにしていたシアだったが、シア達の立っている崖の下から緊張感の全くない声が聞こえてきたので、会話を中断した。
「ねぇシア?人間達に気付かれてるみたいなんだけど…?」
「なっ…!?そう言うのはさっさと言え!!」
下からの声に過敏に反応したシアは目を凝らして人間の住む街を見てみる。下の奴より視力は悪いシアでも城壁の上で忙しなく動き回り、幾つもの大砲を用意している様は見えた。
「ちっ…。」
シアは軽く舌打ちすると、遠くを見るために細めていた眼を元の大きさに戻しながら振り向いた。
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