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「よし、行くぞ!」
シアの一言で4人は一斉にそれぞれの翼を広げ、飛び立った。
4人の中で最も視力・聴力共に優れ、一番の神速の持ち主のキリカを先頭に、一行は心持ち上昇しながら人間達の築いた城壁に向かって飛んでいた。
やがてシアの眼にも城壁の人間達がはっきりと見えるぐらいの距離になると、一行の先頭に居たキリカがいきなり方向を左に変え、城壁の縁に向かって勢い良く突撃した。
別にこれはキリカが勝手な行動をした訳ではない。いくら堅い鱗に覆われた竜でも大砲の集中放火を浴びれば無傷では済まない。だからキリカは己の神速を活かして大砲を一掃しようとしているわけだ。
(別に指示してた訳では無いのだがな……。)
キリカの気の利かせ方に感謝しつつ、シアは飛行速度をさらに上げた。
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