占守島の戦い

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両軍の状況 大日本帝国 日本側は、第5方面軍(司令官:樋口季一郎中将)隷下の諸部隊が、対アメリカ戦を予想して占守島・幌筵島の要塞化を進めていた。1945年(昭和20年)になると本土決戦や北海道本島防衛のため兵力が引き抜かれたが、終戦時点でも第91師団(2個旅団基幹)を擁していた。また、これまで北方方面はほとんど戦闘がなかったため、食糧・弾薬の備蓄が比較的豊富であった。さらに、満州から転進した精鋭の戦車第11連隊も置かれていた。海軍は千島方面特別根拠地隊を置いていたが、陸軍同様に主力を北海道へ移転して解隊してしまい、南部の片岡基地を中心に第51、第52警備隊などを配置している程度だった。航空部隊は陸海軍合わせてわずか8機が残っていただけであった。 1945年に至っても主たる仮想敵はアメリカ軍であり、ソ連に対する戦備としては特別の配慮はなく、対米戦備がそのまま利用されるものとなっていた。守備戦力が減少したことから配備方針は決戦から要域確保に変更され、幌筵海峡の通行阻止に重点が置かれた。そのため5月には、幌筵島南部の陸軍部隊を幌筵海峡に面した柏原附近に集中させ、占守島についても南部に4個大隊を集中配備して、北部には遊撃戦任務の1個大隊のみが配置された。ただし、北部でも国端崎などの一部拠点については死守し、可能な範囲で敵の内陸侵入を阻止するものとされた。 参加兵力は以下のとおり。 陸軍(約23,000人) 第91師団:師団長・堤不夾貴中将、師団司令部と歩兵第74旅団(5個大隊)は幌筵島。 歩兵第73旅団(5個大隊):旅団長・杉野巌少将、千歳台。 独立歩兵第282大隊:大隊長・村上則重少佐、四嶺山。 独立歩兵第283大隊:千歳台 戦車第11連隊(中戦車39両、軽戦車25両) :連隊長・池田末男大佐 師団編合部隊、千歳台。 第1中隊:山田野 第2中隊:田沢台 第3中隊:天神山 第4中隊:大和橋 第5中隊:緑ヶ岡 第6中隊:基谷 第11対空無線隊 船舶工兵第57連隊残留隊 - 特大発動艇20隻。 海軍(伊藤春樹中佐。約1,500人)占守通信隊(司令:伊藤春樹中佐) 第51警備隊 第52警備隊 航空部隊 陸軍飛行第54戦隊残留隊 - 一式戦闘機4機。 海軍北東航空隊北千島派遣隊 - 九七式艦上攻撃機4機。
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