尾崎こはく

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「私の前で粗相はやめて下さる?」  マントを被ったそいつが言った。  声からして若い女かもう少し年上の女ぐらいか。 「申し訳ございません。以後、気を付けます」  俺を襲った男はマントを被ったそいつに向かって頭を下げた。 「尾崎、そちらの方が今回の依頼人だ」  俺はハスキーボイスが聞こえた方を向いた。  木のカウンターの向こう側にスキンヘッドで派手なタンクトップ姿の大男、うちの店長が立っていた。  店長が手を差し伸べた方にはマントを被ったそいつがいた。
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