りゆう

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その夜、俺はソファーで寝ていた 寝心地は頗る悪かったが、かと言って奈々が普段使っている布団で寝る訳にもいかない また臭いと言われたら敵わない という理由も無いでは無いが しかし、ソファーで寝ていたせいで、眠りが浅かった そのおかげで、奈々が普段何をしに外に出ているのかを知ることが出来た 知ってしまったとも言えるだろう ドアの開く音で目が覚めた 時計を見ると、深夜2時18分 足音が遠くなっていき、玄関から出て行った まだ寝起きで頭が働いていなかったが、10秒程考えてから、漸く、奈々が家から出たのだと理解出来た 俺は懐中電灯を手に、急いで奈々の後を追った 降り積もった雪には、くっきりと小さな足跡が残っていた あろうことか、奈々はこの雪道を裸足で歩いて行ったのだ 深く積もった雪のせいで、思う様に歩けなかったが、足跡を目印に、俺は奈々を追い続けた
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