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「奈々……」
俺は呼び掛ける
「なんで追い掛けて来るのよ。」
不機嫌そうに答える
いつもの調子に戻っている様だった
「お前が心配だからに決まってるだろ?今までは、敢えて黙ってた。いつもお前が何処に行って何をしてるのかも聞かずに居た。お前が自分から打ち明けてくれるのを待って居た。でも……」
一息おいて、呼吸を整える
「でも、今日は聞かせて貰う。奈々、お前は何をしていた?」
奈々は、悲しそうな顔で振り向いた
そして、何も言わずに、そのまま飛び降りた
階段を駆け降りる
躓いて、転びそうになりながら、階段を降りて行く
外に出て、目に映った光景は
何事も無かったかの様に立っている奈々の姿だった
「大丈夫だったのか?奈々……」
奈々は何も言わずに歩いて行く
「奈々、死んだらどうするんだよ!」
「……死にたいのよ。」
次の奈々の言葉に、俺は耳を疑った
「私は死ねないの。」
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