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家に帰るまで、奈々は何も話さなかった
俺も、先程の告白を受け止めきれず、何も言えなかった
家に着くと、奈々は自分から語り始めた
「私の身体は、14歳の時から成長が止まってるの。それは、昔にも少し言ったかしら?」
確かに、高校時代に何度か聞いた話だ
その時は何とも思って居なかったが
「成長が止まってる、というか、状態が止まってる……のかしら?そのせいで、私は死ねないのだから。」
「死ねないって、どういう事なんだ?」
「そのままの意味よ。10年前から、私は病気になった事も無ければ傷一つ負った事さえも無いわ。」
俺は絶句した
文字通りに、何も言えなかった
「私は、いつも死に場所を探して、死ぬ方法を探して、外に行ってたの。まあ、死ねなかったんだけどね。」
いつしか、彼女の瞳には、涙が溜まっていた
「ねえ、教えてくれる?なんで私は生きてるの?」
俺は、何も答えられなかった
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