であい

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「ねえ、たっくん。」 10年前 コイツは 奈々はいつもそうやって俺に話しかけて来ていた 今思うと、奈々は俺の事を好いていたのかも知れない と言うと、まるでその後離れ離れになってしまったかの様だが 実際の所、そんな事は無くて 同じ高校に進学し 同じ大学を目指し そして、高二の夏休みの後 奈々は学校に来なくなった その夏に何があったのかは、俺は知らない 俺はその頃、毎日部活動で忙しく、まともに会話をする事も、無かった そして、その年の秋 奈々は、ずっと篭って居た家からも姿を消した そして、俺が奈々に再び出会ったのが、去年の夏 道で歩いている奈々を見て 俺は驚いた そして、声をかけてしまった 冷静に考えると、中学生の様な背格好の少女が、いくら昔の知り合いに似ていたからと言っても それは別人に違いないはずだったのだが
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