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こいつが神さまで、俺が死ねって言ったから、俺が罰を受けると。
なるほど、そんな事で罰を受けるのか。
あれ、俺がそんなに悪いのか?
あれ?確かに言われた本人としては嫌な気持ちにはなるだろうけど、あれ?
まー、いいか。
神さまが罰を受けろって言うなら従うしかないのか。
「それで、罰って?」
「お、おまえ、感情とか驚きとかないのか?」
「なんで、そっちの方が取り乱してるんだよ?」
「いや、普通あるでしょ!?本当に神なの?とか」
普通ね、元々感情が表に出づらいみたいで、何考えてるか分からないってたまに言われてたな。
「感情ならあるよ。お前見た目がそのまんま神みたいな姿してるからな。」
それに、と心の中で呟き俺は目を上に上げる。
この部屋、空間に感じていた違和感。
ここには窓がない、なのに明るい。それだけなら普通、だけどこの部屋には光源らしきもの、電球やその類いが見当たらなかった。
認めるのは簡単だった。
何かブツブツ言っていた神だが、自分の外見を思い出したのか納得したみたい。
「それで、罰って?」
神は目を細める。
「罰を受ける事にも文句はないのか?」
「お前がそう決めたんだろ、別にないよ。」
あのまま、駄目人間やってんのも辛いからな。ちょうど良かった。
「そうか、諦めるのになれているんだな。」
知ったような口聞くなよ。
なれてなんかいない。
ただずっと諦めたかった。
それでも、すがりついて、捨てられなかった。
当たり前だ、自分が生きてく事を諦めるなんて普通出来ない。
だけど、神さまが諦めさせてくれるっていうなら、受け入れるよ。
「それで、罰だったな。
君には異世界に、行ってもらおう。」
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