序章

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「ただいま~」 「おかえりなさい美沙都」 「あ、今日のご飯は何ー?」 いい匂いにつられてリビングへ行くとそこには、母の作ったハンバーグ。 そして新聞を読む父。 相変わらず無愛想だ。 いつもの事を気にせず席につく。 「学校はどうだ」 珍しく自ら口を開いた父に驚いたが、まぁねと曖昧な返事をするとそうか、と。 「部活はどうなのよ」 「あーうん、楽しいよ」 「そう…ならいいわ」 何気ないいつもの食事風景。それが楽しかったりする。 「そういえば美羽子は?」 「今日から友達の家に泊まってくるって家に帰って来て直ぐ慌ただしくでてったわ」 奈穂実ちゃんの家に行ったんだろう。 「まったく…来週テストなのにあの子は…」 はぁと溜息を吐く母を横目に私は黙々と食べ進め、ごちそうさまっと一言いい自分の部屋に駆け上がった。
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