はじめに。

4/5
前へ
/400ページ
次へ
それから私と聡子は帰り支度をして会社を出た。 駅に向かって歩く中、聡子が面白くなさそうに言う。 「真美って罪な女~」 「ええ?」 「…課長の気持ち分かっててやってるんでしょ?」 「・・・」 言葉に詰まる。 実際、高校の時に私は先輩…課長に付き合わないかと言われたこともあった。 だけど、私は逃げた。 学校で出会いそうになると違う方向へ行き、部活の帰りも被らないように遅く帰ったり早く帰ったり。 避けに避けて来たのに、この会社に入社してビックリ。 数年を経て再会したのだ。 課長は過去の事は忘れたようで、昔と変わらない態度で私に接してきた。 だから、私も以前と同じように話をすることが出来た。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3603人が本棚に入れています
本棚に追加