◇happy happy one day◇

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「何、泣いてんの」 「だ、だって……嬉しくてっ」 渡瀬君の口唇があたしの頬に触れる。 涙を絡め取りながら、あたしの耳元に辿り着いた熱が鼓膜を揺らす。 「来年も再来年も、ずっとずっと俺が祝うんだけど?そんなに泣いてどうすんの」 心臓が破裂しちゃうくらい、あたし今。 渡瀬君の事が愛おしい。 やがて耳元から滑り降りた彼の口唇が愛しい言葉を紡いで。 「……唯。好き、だよ」 そしてあたしの口唇に、甘い甘い熱を与えてくれた…… 「…………にゃ~ん」 口唇を離した渡瀬君は今日も頬を紅く染めて。 いつもと同じように、今日も不機嫌。 「ユイ……忘れてた」 ずっと部屋に閉じ込められていた仔猫のユイちゃんが、すりすりと渡瀬君の脚に甘えてくる。 ねぇ、ユイちゃん。今だけは渡瀬君の事、あたしにちょうだい? 時間は止まる事なく動き続ける。 何も変わらない日常の“特別な日” 渡瀬君の隣にいるだけで、それは毎日毎日が特別で、日ごと日ごとあなたの事が好きになる。 触れるだけで溢れてくる好きの気持ち。 明日も来年も10年後も、ずっとずっと、渡瀬君だけに伝えるよ。 「渡瀬君、大好きっ」 見つめ合って絡め合って分かち合って想い合う。 あなたとのキス。 幸せに溢れた、こんなある日のお話。 「…………にゃ~ん」 END
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