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「あー、そうだね。そうだろうね」
千紗は棒読みでそう答えると、げんなりした様子で机に頬杖をついた。
「はぁ、翔君……」
夢心地の中、スマホの中の翔君の笑顔をギュッと抱き締める。
あたし今、世界で一番幸せかも知れない。
「……て言うかさ。翔君て、それどうなのよ?」
千紗は徐に取り出したファッション雑誌を捲りながら、冷たい一言を吐く。
「どうって。翔君イケメンだし、優しいし、素敵でしょ?」
「……」
「もう少し頑張ったら、きっと付き合おうなんて言ってくれると思うんだよね」
「……」
もしかして千紗ってばやきもち妬いてる?
翔君があたしに夢中だから?
駄々漏れ状態の心の声に、彼女は意を決したように口を開いた。
「あのね……翔君はね、いろんな女に同じ事言ってんのよ」
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