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「あぁ……やっと着いた」
ツリーハウスのある木までたどり着いたベルは「よいしょ」と言って果物の入ったカゴを下ろし、重荷のなくなった開放感を味わうように伸びをする。
「んーー!がんばったー私!!」
うんうん!ここまで来たら後一息だ!
ベルは自分に言い聞かせるように頷く。
そして木の上に存在するハウスに向かうために架けられた階段に目を向ける。
螺旋階段のようにハウスへと続くそれは、疲れているベルを「登ってみろよ!ツルペタ女!!」とあざ笑うかのように存在している。
「あぁ……ホントいまさらだけど……なんでツリーハウスなんだろ」
上を見るベルの恨むような視線はハウスではなくその中にいる『先生』に向いている。
ベルはその『先生』の助手である。
「なんか先生の顔を思い出したらイライラしてきた……!」
拳を強く握りしめベルは湧き上がる怒りをどうにかごまかす。
そしてポツリと一言。
「………さて、『どっち』にしようかな」
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