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「俺はカッコいい自分が大好きだ」
今、目の前に居るのは所謂山賊と呼ばれる中年ども
いくら山賊といっても身嗜みくらいは整えてもらいたい
俺の視界に入るなら最低限の努力はするべきだ
しかし…
彼らは俺の素晴らしいセリフに虚を突かれ、無防備状態
それを見逃す俺ではない
つまり
「せめて潔く散れ」
俺の素晴らしい魔力コントロールを見れるとは運が良かったな
一般的に頑張ってもせいぜい五、六本程度しか出せない魔法の矢を、盛大に五十本
気前がいいだろう?
「「「ぎゃぁぁぁっ!!」」」
醜い叫び声だ
「さて、怪我はないか?」
そう、ただ山賊を撃退したんじゃない
襲われていた馬車を助けたのだ
強くて優しい
まさにperfect!
「は、はい……助けていただき、ありがとうございました……それで、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
名前?
「俺の名前は皇帝!皇帝と書いてスメラ、ミカドと読む!まさにperfectな俺に相応しい!!名前すら完璧だ!」
「は、はぁ……」
ん?なんだ?反応が悪いな
というより、こいつは貴族か何かか?随分と高そうな服を着ているが…
また面倒な人間を助けてしまったな
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