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結「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
縁が殺されたことでパニックを起こした結城、しかし蟷螂の魔物には関係ない
縁の首を刈り取っただろう鋭い鎌を結城に向かって振り下ろす
縁「けふっ!?」
ドンッと押された衝撃に、縁の声
見ると、きちんと頭のついている縁が、蟷螂の魔物の鎌に貫かれていた
結「先輩!!」
縁「あー、痛い、やっぱりこうなるんだよね、嫌になるよ、これで死亡二回だよ?ほら、僕は絶対に勝てないんだから君がこいつを倒すんだよ」
案外元気そうだ
縁にとって、殺されるのも虐げられるのも、もはや日常と言っても過言ではない
しかし、そんなことを知らない結城は既に考えることを放棄している
縁「おーい?はぁ……不幸だ」
縁はギザついた鎌から自分の体を抜いて蟷螂の魔物に対峙する
縁「くぺっ!?」
しかし、呆気なく鎌で両断
蟷螂の魔物は次の敵である結城に鎌を振り上げる
縁「うぐぐ……仕方ないなぁ…………絶望しろ」
動かない結城、縁は普通の感性を持っているため、後輩を助けようと何時もは抑えている虚無感を解放する
その瞬間、辺りは暗く、空気は淀み、草木は徐々に生気を失っていく
蟷螂の魔物は本能的に危険を察知したのか、足早に逃げていった
縁「何も上手くいかない、何も手に入らない、何も生み出せない……全てに意味なんてないし、僕に価値はない…………魂すら残さず消滅出来ればいいのにね?」
ニッコリ笑顔の縁だが、結城は化け物でも見ているかのように顔をひきつらせていた
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