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「吸血鬼…か。」
「梓ー?遥香ちゃん来てるわよー?」
母の声がして
はっと我に返る 。
時計を見ると7時55分を
指していた 。
待ち合わせより
10分遅い 。
「やばっ、遅れた。」
慌てて階段を駆け降りた 。
「梓、朝御飯は?」
「いらないっ!いってきまーす、」
母親の返事も適当に返し
バタバタと玄関を出ていった 。
「梓、遅ーい。」
「ごめーん…。」
「ま、いいけど。行こ?」
いつも通りの朝 。
いつもと違うところがあると言えば、
私が遅れた事と
二つ括りをしている遥香が
珍しくポニーテールだという事位だ 。
学校へと続く道を
普段通り歩いて行く。
その時ふと何かの気配を感じた 。
立ち止まって後ろを振り返る 。
誰もいない 。
「どうしたの?」
「いや、何でもない…。」
「そう、なら良いけど。」
後ろ髪を引かれる思いで
学校に向かう 。
その足取りは重かった 。
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