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ある山に鬼が出たという噂が流れました。それを聞いた村民はびびりました。
「おっかねえなー」
「んだんだ」
それから、数日したある日お爺さんが山で武者修行を、お婆さんが川でバタフライを練習していると、川の上流から、どんぶらこ、どんぶらこ、と大きなドリアンが流れてきました。おばあさんは素手でドリアンを掴み、家へと持って帰りました。
すでにお爺さんは武者修行から帰ってきていました。
「お爺さん、良いもの拾ったよ」
お婆さんニッコリ。
「ふえっふえっふえっ」
お爺さんも腹黒い笑い。
「このドリアンを切ってみて下さいな。お爺さん」
「なんじゃと、ワシに命令するのか?」
切れたお爺さんお婆さんを虐殺。
一人になったお爺さんはドリアンの棘も気にせず、手刀でドリアンを真っ二つにしました。
すると、ドリアンの中から光が溢れました。
「なんじゃ?」
お爺さんびっくりして、ドリアンに灯油をかけ、火を放ちました。
「アチッ、アチチッ」
その時、ドリアンの燃え盛る炎の中から子供が憎悪の目をお爺さんに向けながらゆっくりと出てきました。
「おい、じじい。あちいじゃねえか」
「だ、誰じゃお前は」
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