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「私が眠ってる間、ナンパしに行かなかったのか?」
私が尋ねると、デコピンされた。
「バーカ。お前、自分の今のサイズ分かってるか?こんな所で一人で寝てるの置いていけるか」
普段なら一緒に歩いていても、気になる子がいたら声をかけるのに…。
「でも次寝たら、置いていくからな」
「き、今日はたまたまだ!」
私の反論にミシェルは笑っている。
「さてと」
ミシェルが立ち上がると、私に手を差し出す。
「そろそろ帰るか」
私はミシェルの手を取り立ち上がろうとした時、木の根に足を取られて変に転んでしまった。
「何やってるんだよ」
立ち上がろうとしたが捻ったみたいで、足首に激痛が走る。
それを見たミシェルが横で腰を落とすと、 私を抱き上げた。
「ミシェル?」
「戦闘種族が聞いて呆れるな」
まさかお姫様抱っこされるとは思ってなかった私は身体を強ばらせてしまう。
「…重くないか?」
「思ったよりは重いかな」
「降りる!」
「危ないから暴れるなよ。冗談が通じないヤツだな」
ミシェルが笑いながら言うのを見上げ、このサイズじゃなければこんなこともしてもらえなかったかも…と思うと、ちょっと得した気分だ。
夕陽に照らされた私たちの影が大きく伸びるーーー。
END
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