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「…ン、おい、クラン!」
揺り起こされ、目を覚ますと私の目の前に幼馴染みの見慣れた顔があった。
私は慌てて飛び起きると、彼の胸に顔を近づけて確認する。
シャツは白く、赤い色はどこにも無い。
私はやっと胸を撫で下ろした。
「うなされてたぞ。大丈夫か?」
ミシェルが私の顔を覗き込む。
先程夢で見た生気を失った彼の顔がダブる。
自然公園の大きな木の下で、私はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
周りを見渡すと、すっかり陽が傾き、夕暮れ時だった。
私の記憶は彼と二人で木に寄りかかって話をしていた所で途切れている。
昼寝などするつもり無かったのに、気持ち良くて睡魔が襲ってきてしまったようだ。
私はミシェルに抱き付いた。
ミシェルは何も言わずに、頭を撫でてくれている。
夢で良かったと思うけれど、身体の震えがなかなか止まらない。
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