4人が本棚に入れています
本棚に追加
夢で仲間たちがケガをするのを見るのはよくあることだった。
戦争をしていたのだから、常に危険や死が隣り合わせだ。
自分がケガをする夢より、大切な仲間や彼がケガをする夢を見ると、目覚めてからひどく落ち込んだ。
そんな夢を見た日はどこかいつもより明るく振る舞っている自分がいて、無理してると彼によく言われていた。
やはり幼馴染みにはバレバレだったのだろう。
戦争が終わり、そんな嫌な夢は見なくなっていたのに、久々に銃弾に倒れる彼の夢を見て、私は怖くなった。
彼がどこか遠くへ行ってしまうんじゃないかとーーー。
「嫌な夢でも見たか?」
しばらくしてミシェルが私に声をかけた。
私は抱き付いたまま頷く。
「…夢の内容は聞かないよ。言いたくないだろうし、聞かされたくないからな」
私の目覚めてからの行動で、夢の内容も察しがついているだろう。
最初のコメントを投稿しよう!