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「はぁ、はぁ、はぁ………。」
全く、毎夜毎夜嫌になる。
ここではまだシャルル達の洞窟に近すぎる。
あいつらには気付かれてはならない。
だから、あと少しだけ、あと少しだけもってくれよ、オレの身体。
いつもの場所にようやくたどり着いたところで、足を止め『あれ』に備える。
「はぁ、はぁ、はぁ………あぁああああ!!!」
身体中を激痛が襲い、ふさがっていたはずの傷から血が吹き出る。
本当に毎夜、毎夜嫌になる………。
血が出きったのだろう、激痛と共に傷がふさがり始める。
すると同時に辺りが血みどろになるほどの血を吐き、ぐったりとしていつものように動かなくなった身体を地面に投げ出し空を見上げる。
時間はかかるが、しばらくすればいつものように動けるようになるだろう。
オレの身体は魔具から流れ出る異常な魔力により再生と破壊を繰り返す。
その破壊の時間こそが夜なのだ。
しかし、破壊が再生を上回り身体の限界が訪れる。
そうして身体が耐えられなくなった時、周りを巻き込んで弾け飛ぶわけだ。
限界の時はすぐそこまできていた。
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