夜の散歩は秘密です

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今夜はまだ動けそうになさそうだ。 「何を、何をやってるのニャ………バジル。」 突然、聞こえた声にどうにか動く首だけでそちらを見つめる。 そこには『シャルルと遊べないのはオレのせいだ』と文句をいいながらリンゴを剥いてくれ、『病人には栄養が必要だ』と自分の嫌いなピーマンをいれてくるネコがいた。 あとでピーマンを食わなかったのがばれてロースに怒らてたっけな。 「何、勝手に死にそうになってるニャ、バジル!!!」 大きな瞳からボロボロと涙を流しながら吠えるネコ。 「あぁ、一番まずいやつに見付かったな、こりゃ。」 「ふざけんニャ!!事情を話すニャ!!」 さすがにこの状況を見られては、ごまかしきれそうになさそうだ。
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