嫌われても守りたいものがあるです

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一通り質問が終わったのだろうマーリンが小さく自問自答を繰り返している。 「カウントダウンボムとはふざけた名前を付けおって……。」 「マ、マーリンさん?」 何故か怒りの表情を浮かべているマーリンに恐る恐る声をかけるとすぐにオレに気が付き元に戻るマーリン。 「バジル、すまないだの。少し考え込んでしまっていただの。」 元に戻ってくれて本当に良かったです。 「結論が出ただの、バジル。」 マーリンの言葉に思わず緊張からゴクリと生唾を飲む。 「が、その前にすまぬがペロ。シャルルを呼んで来てはくれぬだの?」 「シャルルをニャ?」 「うむ。そしてすまぬがシャルルがこの部屋に来たらペロ。お主には部屋の外で待っていて欲しいだの。」 「な、なんでニャ!!!ペロも一緒に聞きたいニャ!!!」 ネコの叫びに一瞬、部屋に沈黙が訪れた。 「ネコは察しが悪いな。」 「ニャ?」 「マーリンは医者みたいなもんで、オレとシャルルは男だ。女のお前の前じゃ話づらいこともあるんだよ。それともネコはオレの恥ずかしい話をそんなに聞きたいのか?」 「ニャ!!!バ、バカバジル!!すぐにシャルルを呼んでくるニャ!!」 弾き出されるように部屋を出て行くペロ。 「やれやれ、ネコには少し悪い事しちまったな………。マーリン、あんな感じでよかったか?」 「あぁ、上出来だの。ペロはいい子だの。」 「あぁ、あいつは本当にいいやつだよ、マーリン。」 ネコの悲しむ顔を昨日の今日で二度も見る勇気は今のオレには無かった。
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