嫌われても守りたいものがあるです

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しばらくすると、シャルルが部屋に一人でやってきた。 ペロはロースと一緒に待っているそうだ。 「………お待たせしたです。」 部屋にやって来たシャルルの顔にはオレと同様に緊張の色が浮かんでいた。 「では、判明したことから話すだの。」 シャルルがオレの隣に座ったのを確認するとマーリンが本題を切り出した。 「バジル、ショックかもしれないがその魔具は外れないだの。もちろん、無理やりになら話は別だがの。」 「………そう、か。」 期待していなかったと言えば嘘になる。 だが、改めてマーリンから告げられた言葉をすんなりと受け入れた自分がそこにはいた。 「次にその魔具の所有者はそれをカウントダウンボムと呼んでいたそうだが、それは『ウソ』だの。」 「『ウソ』?」 次にマーリンが告げたのは意外な真実だった。 「そもそも、使い方が間違っておるうえに魔具自体をいじられておる可能性も有り得るだの。」 オレの身体には一体、何が埋め込まれているんだ? 「最初は思い当たる魔具はなかったが、バジルの話を聞いて確信しただの。それをそんな使い方すれば人間は木っ端みじんになって当然だの。」 怒りの為だろう、マーリンの語気が荒くなる。 「逆にバジルが今動けていることが奇跡に近いくらいだの。」 「一体、こいつは何なんだ、マーリン?」 「正式名称はモンスター専用魔具『限界突破(リミットブレイク)』。ダンジョンモンスター以外のモンスターのレベル上限を壊す魔具だの。」 「レベル上限?」 「野生のモンスターをはじめダンジョンモンスター以外の生物はレベル99を越えられんだの。そんな魔具を人間に使うなど聞いたこともないだの!!!」 「知らなかったです。じゃあ、バジルのレベルが100を越えているのは魔具のせいだったんですね。」 「………えっ?」 シャルル、気のせいだと思うが何かおかしな事を言わなかったか?
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