プロローグ

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その日、ひとりの青年が捕まった 青年は、狼男。この世界で、最も孤独な生き物 青年は、研究所に連れて行かれ、身体の隅から隅まで調べ尽くされることになる 白衣の青年や、和服の男に、その身体を壊されていくことになる 体も心も壊され、いっそ殺せと願うことになる けれど、狼男は死ねない。死ぬことはできない 灰色の世界に絶望し、屈辱と恥辱と苦痛と恐怖と、様々な感情をその胸に湛え、世界の全てを憎み、恨むことになる やがて感情が枯れ果て、死すら救いと感じなくなったとき 狼男は、少女に出会う .
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