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私は、許可をいただいて、遠藤明弘の部屋に来ていた。
部屋は綺麗に整っていて、生きていた頃そのままのようだった。
本やCDはジャンル別に分けられて棚に納まっていた。
部屋の端にあった机に目が行った。中を見てみると教科書や参考書などが入っていた。勉強熱心だったんだなと思わせるほど、参考書は使い込まれていた。
机の一番上の引き出しを開けようとして、鍵がかかっている事に気が付いた。
しばらく考えた後、机の上に置いてあった賽銭箱の形をした貯金箱を逆さまにして振る。
すると、中から小さな鍵が出てきた。私は鍵を引き出しの鍵穴にさして回した。
スッと何の手ごたえも無く、鍵が回る。中を開けると茶色い封筒が入っていた。
中を覗く。そこには少し大きな日記帳が入っていた。
…見つけた。
洋子は日記をつける習慣があった。毎日つけるほど几帳面だったわけではないが、私も何回か見せてもらった事がある。
洋子が死んだ時、日記帳の束の中から、最近の1冊だけがなくなっていたのだ。
散々、探したが見つからなかった。
心当たりは、もうここしかなかった。
その、ハードカバーの日記帳をゆっくりと開く。
私には、これを見届けなければいけない義務がある気がしていた。
…エゴだけど。
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