1人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
暑い8月の18日…
私は学校の補習に来ていた。
「前期早々成績おちるなんて…。はぁ…」
ガックリと肩を落としながら廊下を歩いていた。
今年の春。私はこの花宮高校に進学した。
進学の理由は一つ上の兄もこの花宮高校に通っているからである。
なんとか必死に勉強し、なんとか合格できたのはいいもの…
なかなかテストがうまくいかず、このざまだ。
「お兄ちゃん、終わったかな?」
そう呟きながら2年生の廊下を歩く。
「あれ?」
兄の姿が教室にはなかった。
「おかしいな…。迎えにいくって言ったのに。」
心配になった私はまだ教室に残っている生徒に訪ねてみた。
「あの…。私の兄見ませんでしたか?」
「えーっと…名前は?」
「二階堂蓮音です。」
「あぁ―!蓮音くんね!蓮音くんならついさっき屋上に行くって言ってたわよ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
私は一礼すると屋上へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!