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真っ暗な夜空にぽっかりと浮かぶまん丸の月。
ちょっと雲がかって欠けているように見えるけど、月の光が雲の下から頑張って形を伝えている。
星は見事に雲に覆われちゃって、私の目では到底確認できないけど、きっと一生懸命輝いているんだろう。
―……私はもう、疲れたよ
一日一日を過ごしていくことも、夢や希望に胸を高鳴らせるのも――幸せを願うのも。
こんな人生、ないほうがよっぽどマシだ。
雲がかかった真っ暗な夜空よりも黒い、私の心の闇。
私はこれを晴らす方法を一つしか知らない。
夜の10時過ぎにも関わらず、忙しく行き交う自動車やトラック。
私は今、一歩踏み出せばその中に飛び込める状態にある。
高く構える、歩道橋の手すりの部分に、足を放りだして座っているのだ。
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