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目の前にはガラスがあり、その向こうには退屈で人を殺せそうな程に真っ白な、何も無い部屋。
いや、殺せそうなんて縁起でもない。
様々な機械があるが、どれもが無機質で味気無い印象を与える。
その白い無機質な部屋の中心にある、これまた白いベッドの上に、自分の大切な人が寝ている。
顔はいつもより白く、布団から出る腕の白さもこの部屋に負けない。
それでも。
そんな状態からでも。
またアナタはこんな自分に笑いかけてくれる、元の生活に戻れるのではないか。
頭に過るのは、過去のことばかり。
心臓も正常に動き、呼吸もしている。
それなのに意識が戻らない。
そんなアナタを自分はいつまで待てばいいのだろう。
ーーーー奇跡でも起きない限り目覚めないアナタを。
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